電力需要全体の40%を占め、金額にして7兆円以上の市場規模とも言われる電力の小売りが来年4月に全面自由化されるのを受けて、新規参入する新電力(特定規模電力事業者)の顧客獲得戦略が加速してきた。

 JX日鉱日石エネルギーは、携帯電話で約3700万件の個人顧客をもつKDDIを軸に、通信とのセット販売について提携交渉を進めている。フォーバル傘下のアップルツリーも通信サービスなどとのパッケージ販売を検討中。

 一方、すでに中層ビルやスーパーなどを対象とした高圧(6000ボルト以上)向けに電力事業を展開しているイーレックスは、電力小売りを行う合弁会社「イーレックス・スパーク・エリアマーケティング」を設立。イーレックスのほか、阪和興業と阪和興業の子会社で石油製品やLPガスなどを販売するトーヨーエナジーが出資。各社が持つ強みを活かしながら電力小売り事業を拡大させていく予定で、イーレックスにとっては対象市場が実質的に倍増することになる。