電力小売への参入で、事業規模の拡大につなげようという動きが顕在化してきた。

イーレックスが、米・スパークエナジーと低電圧分野(家庭用や小規模オフィス、商店など)への電力小売合弁の設立で合意した。大阪ガスは来年4月から一般家庭を含めた顧客に、電気とガスのセット販売を始める。大阪ガスが電力小売を手掛けることで、供給エリアが競合する関西電力との顧客争奪戦が一層激化する。

一方、楽天は丸紅と電力小売分野で提携した。丸紅から調達した電力を仮想商店街「楽天市場」の出店業者などに販売する。商品やサービス購入で得られるポイント制度と連動した新サービスも開発する。

電力の小売自由化を巡って、新たなビジネスチャンスとして新電力(特定規模電気事業者)の登録申請も加速している。新電力の情報提供や経費削減提案などを行っている新電力バンクは、新たに「新電力バンク東池袋支部」をウェブ上にオープン、体制の充実と新規顧客獲得を目指す。