シュタットベルケ(地域エネルギー事業者)が一定のシェアを保有している理由の一つに、大手電力会社と同等のコスト競争力を持てていることがあげられる。 

一つは電力調達の最適化にある。

自社電源による発電や卸売市場との取引など、複数の選択肢の中から時々刻々と変わる電力調達コストにあわせて選択することで、最適なルート、コストで調達することができる。

さらにドイツでは1970年代のオイルショック時に省エネ政策として熱導管を敷設していることもあり、発電所から需要地点までの地域で発生した熱を無駄なく利用する電熱併給事業による収入を得ていることも大きい。

海外に比べ日本ではコスト面で大手電力会社に対して競争力を持つことは難しいため、それ以外の価値を生み出すことが求められる。価値の提供先は需要家に限るものではない。

例えば、自治体との共同プロジェクトにより雇用を生み出し、高齢化・過疎化の進む地域の活性化を目指すなど、「社会貢献」で差別化することもできる。