2016年05月

これから夏本番、電力会社の切り替えは今が最適

 電力自由化がスタートして約2カ月。これから夏場を迎えるにあたり、新たな動きが出てきた。

関西電力は7月から、首都圏で家庭向け電力販売を始めることを検討していることが明らかになった。首都圏に基盤をもつ企業と販売提携して、3年間で10万件の顧客獲得を目指す。電力自由化によって、関電は新規事業者に顧客を奪われており、首都圏で低価格電力の供給で攻勢をかける。

一方、家電量販店のヤマダ電機も家庭向け電力小売サービスに参入する。6月15日から「ヤマダのでんき」として、沖縄県と離島を除く全国で提供する。一般家庭用と事業者向けの2プランを用意、毎月の電気料金の2%から6%をヤマダポイントで還元する。

電力自由化では、各社からさまざまプランが提供され選択が難しいことから、様子見傾向が強くなっている。とはいえ、これから夏本番を迎えるにあたり、申し込みから実際の切り替えまで時間がかかることを考慮すると、「切り替え時期は今が最適」と指摘する専門家もいる。

電力自由化されても新規事業者への切り替えは伸び悩み

 電力自由化がスタートして一カ月半あまり。既存電力会社からの切り替えは全体としてまだ少なく、特に地方では伸び悩んでいる。

リサーチ会社のクリエイティブジャパンが調べた「電力自由化に関するアンケート」によると、「電力自由化について知っている」との回答は8割あったが、実際に「電力会社の変更を行った」のは一割程度だった。新規事業者への切り替えが進んでいない理由として、「各社のプランを調べるのが大変」が55.4%で、「各社のプランを調べたが、よくわからず決めかねた」が29.4%だった。

電力会社などでつくる「電力広域的運営推進機関」によると、大手電力会社から新規参入事業者への切り替え申し込み件数は、制度開始から一カ月が経過した先月末時点で81万9500件と、大手電力各社の利用者の1.3%。地域別では東京電力管内が51万8000件と最多ながら切り替えの割合は2.2%。関西電力管内は18万2000件(1.8%)。一方、中国電力管内は0.05%、北陸電力管内は0.13%。地方では新規参入事業者が少ないのが伸び悩みの一因となっている。

自由化スタートで切り替え「検討」は多いものの、「実績」は一部にとどまる

 電気料金比較サイトが既存の電力会社の切り替えを検討したユーザーを対象に実施した調査によると、切り替えを検討した人が最も多かったエリアは「首都圏」(東京電力管内)が58.1%と圧倒的で、以下、「関西圏」(関西電力管内)が12.9%、「中部圏」(中部電力管内)が9.9%だった。

電力自由化がスタートして、都市ガスや通信会社などの新規参入事業者は割安な料金で売り込みを図っているが、実際に切り替えた家庭は一部で前評判とは異なり静かなスタートとなった。特に電気料金が高く、新規事業者に有利とされた関電管内では約17万2300件の切り替えがあり、そのほとんどは大阪ガスが獲得した。ただ、全世帯ベースでは1.7%にとどまっており、今のところ影響は軽微だ。

こうした中で、小売事業者の営業活動については、相談・問い合わせが多く寄せられている。中でも太陽光発電やオール電化関連機器など、自由化と関係ない便乗商法も報告されており、経済産業省などは引き続き改善指導を強化している。