2016年01月

電力小売りの営業ルールで、「停電しにくい」という表現は使用禁止

経済産業省の電力取引監視等委員会は、4月の電力小売り自由化に向け電力販売事業者が一般家庭に宣伝や勧誘する際の営業ルールをまとめた。

 需要家への情報提供としては、一般家庭用の低圧需要家向け「標準メニュー」の公表や平均的な電力使用量に対する月額料金を例示しなければならない。一方、「停電しにくい」など根拠のない表現を使うことはできず、「地産地消」を訴求した営業行為では、発電所の立地場所や電気の供給地域について明示しなければならない。

 契約内容面では、不当に高額の違約金を設定するなど、解除を著しく制約する内容の契約条項の設定を禁止。解除手続きや更新を拒否する手続の方法を明示しないなど、解除を著しく制約する行為も禁じた。

 契約解除の手続きでは、需要家の意に反した過度な引き留め営業や解除予告通知を行うことや最終保障供給・特定小売供給を申し込む方法があることを説明するなどの適切な対応を怠ってはいけない、とした。

電力自由化で事業者は万全の準備を

電力小売り自由化で、新サービスに期待が高まる中、電力事業者には万全の準備が重要になっている。電力自由化を正しく理解していない消費者もいるためだ。

 大手広告代理店による電力契約に関する調査で、自由化以降「契約先を変えてみたい」との回答は約7割。しかし、経済産業省の調査では「電力会社を切り替えても停電の頻度や電気の質が変わらない」ことを知らない回答者は7割を超え、「自由化までにどの企業から電力を買うかを決めなくても現在契約している企業から供給される」ことを知らないとの回答も5割あった。

 契約条件の説明や苦情の問い合わせ対応を義務づけられている電力小売事業者は、その順守は当然のことながら、わかりやすい説明が求められる。契約先変更に伴う事業者間の顧客情報移転ための情報システム整備など、自由化後の混乱が起きないような入念な準備が必要だ。

 電力自由化では、さまざまな業種からの新規参入が相次いでいる。東北地方では17社が予定、うち東北に本社があるのは1社だけだった。

電力自由化に向け各社が相次ぎサービス内容を公表 顧客獲得競争が本格化

電力小売り自由化に向け、顧客獲得競争が本格化してきた。新規参入企業(新電力)が相次いで料金プランを公表している一方で、最大市場の首都圏を独占してきた東電も最大5%安くなるプランを策定した。

 昨年末に電気料金プランを発表した新電力の東京ガスは、都市ガスとのセット契約で毎月250円を割り引く。提携するインターネット接続事業者のネット契約セットでは、割引額は合計で2万円を超える。東燃ゼネラルは東電よりも最大6%安くするほか、ジュピターテレコムは大手電力よりも10%割引く。

 大手電力や新電力の電気は、品質面での差別化が難しく各社はセット販売やポイント付加などの新サービスで顧客獲得を目指している。この中、JALは新電力と提携し電気料金を払うとマイルが貯まるサービスを4月から始めることを明らかにした。

 攻勢を受ける東電は、電気使用量が多い家庭向けに3月末までの2年契約で、ポイント付与を含めて月額1万9100円となるプランを設定(一戸建て4人家族)。現行に比べ2年間で約2万9300円の節約ができる。

電力自由化元年 経産省が営業ルールの詳細を固める

 電力自由化に向けて、経済産業省は電力会社が守る営業ルールの詳細を固めた。また、大手電力には一般家庭の標準的な月額料金(6915~7899円=2016年2月)の公表も要請、新規参入企業との料金比較を簡単にできるようにして健全な競争を促す。

 営業ルールでは、不当に高い違約金の請求や「停電しにくい」など根拠のない表現での勧誘などを禁止する。解約については、電力会社の供給域外に引っ越す際は違約金を請求しないことも求める。訪問販売や電話勧誘による契約はクーリングオフの対象とし、利用者へは標準家庭の料金のほかに「標準メニュー」の公表を求める。

 電力自由化によって、ガス会社や石油元売り、不動産業など多様な企業が参入を予定している。こうした中で東急グループは、早くも「電力も初売り」と称するキャンペーンを展開。このほかにも、関東や中部など10を超す自治体が新規参入企業と提携し電力の販売を検討している。