電力業界以外からの参入でガス会社が最多 悪徳業者には立ち入り検査も

 電力小売り自由化で、小売電気事業者の登録を済ませた169社(2月8日時点)を資源エネルギー庁が業種分類したところ、企業向けに電力の小売販売実績がある新電力が22社で、既存の電力会社とその子会社が17社だった。残りは電力業界からの参入で、最も多いのがガス会社の32社で、石油会社も8社が登録済み。公的サービスを展開する業種では、通信・放送・鉄道からが32社で、このうち28社はケーブルテレビ最大手のジェイコムグループの地域会社。各社は料金体系やサービス内容を続々と公表し、激しい顧客獲得競争を繰り広げている。

一方で、便乗商法や強引な勧誘も増えてきており、経済産業省と国民生活センターは消費者保護に関する連携協定を結んだ。自由化がスタートする4月に向けさらに混乱が広がると見て、契約トラブルなどの情報を随時交換し対処方法などの普及啓発を強化する。経産省は今後、情報に基づいて悪質業者への立ち入り検査などを実施するほか、営業ルールの見直しも検討する。

記事タイトル電力自由化で消費者はトラブルにも警戒を

 電力の小売り自由化にあわせ、契約切り替え業務を支援する「電力広域的運営推進機関」は、年初からの約一カ月で約5万5000件の変更の申し込みがあったことを明らかにした。電力会社の変更は1月4日から事前受け付けが始まり、29日までに東京ガスやJXエネルギーなどの異業種の参入が相次ぐ東京電力管内で約3万2000件の変更申し込みがあった。関西電力管内では2万9000件が大阪ガスなどに移る。

 こうした中、東ガスは家庭向け電力販売の料金体系を改定した。昨年12月の発表からわずか一カ月での改定で、東ガスのあとに料金体系を公表した各社の方が割安なプランを提示したため。改定後はさらに〝お得感〟を出した。

 電力の小売り自由化を巡っては、「機器の交換がいる」などの虚偽の説明をして工事契約を結ばせようとする悪質な勧誘や強引な営業も相次いでいる。契約切り替えの動きが今後本格する中、消費者はプラン内容の検討だけでなくさまざまトラブルに巻き込まれないような注意も必要だ。

電力自由化は優良顧客の獲得が大きな焦点

 東京電力などは、6月1日から低圧電力を値上げする。地球温暖化対策税の税率引き上げによる燃料価格の上昇分を、電力量料金に反映させる。電力自由化直後の値上は痛手になるとの見方がある一方、電力各社は優良顧客の囲い込みで自由化の波を乗り切りたい考え。

 電気料金は元々、使う量が多いほど高く設定されており、電力会社にとって大量に電気を使用する人ほど優良顧客だ。自由化によって顧客獲得競争の激化が予想される中、いかに優良顧客を確保できるかは大きなカギだ。これまで6月だったトップ交代を4月に早めた中国電力も、新体制への移行を前倒しして優良顧客である地元企業との連携を強化する。

 大手広告代理店が実施した電力小売り自由化に関する調査では、7割以上が電力会社を変えてみたいと回答。新規参入するauやソフトバンクは、携帯電話とのセットプランを設定したが、これまでの契約実績をもとに支払いなどが確実な優良顧客を囲い込みたいとの思いも見え隠れする。電力自由化は優良顧客をどれだけ確保できるかが、ひとつの焦点となりそうだ。