電力取引監視等委員会が小売事業者に事業の適正化促す

 電力取引監視等委員会が、事業者に適正な事業活動の推進を促している。大手電力に対し法律上問題となる行為として、不当な安値でのセット割引などを挙げた指針を公表した。自社の電気と他社の商品などを組み合わせて、採算を度外視した安値でセット販売すると新規参入する事業者(新電力)が事業継続できなく恐れがあるため。一方、登録制にもかかわらず「審査・認可を受けた事業者」と記載して小売り事業者には改善指導を行った。

 大手広告代理店が昨年11月に実施した意識調査では、電力自由化への認知度は6割以上だったが内容の理解度は少数だった。自由化までわずかとなり、顧客獲得競争が激しさを増す中で事業者の営業活動に一部問題があったり、便乗商法などもでてきている。このため電力取引監視等委員会は、これまで平日の日中に行っていた相談窓口の開設時間を、3月26日―4月15日まで平日は午後10時まで、休日も午後9時30分―午後5時30分まで受け付けることにした。

電力自由化の周知徹底で電力監視委が「自由化キャラバン」展開

 東京電力と三菱地所ホームは、4月1日以降に三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」を導入した新築戸建て住宅向けの電気料金プランを開発した。電力会社と住宅メーカーのコラボレーションは初めて。

 経済産業省によると、電力自由化で参入する小売電気事業者は審査中も含めて約280社。顧客獲得に向け各社は、サービスの差別化や加価値化に注力しており、今回の東電と三菱地所のコラボもその一例。

 一方競争の激化に伴い、国民生活センターへの相談も急増している。昨年の4―6月に16件、7―9月に34件、10-12月に52件だった電力小売自由化関連の相談は、今年1―2月の2ヵ月間で98件となった。こうした背景もあり、電力取引監視等委員会は2月から電力小売自由化を周知する一般向けイベント「自由化キャラバン」を全国30ヵ所以上の商店街やショッピングモールなどで実施。パネル展示や動画などで、小売り自由化の概要や注意点などを紹介する。

都市ガス自由化をも見据え加速する合従連衡

 電力取引監視等委員会は、電力小売り自由化に向けた小売電気事業者の登録数が200社になることを明らかにした。小売電気事業者はこれまでに169社が登録済みで、31社も近く登録される見込み。

 電力自由化で新規事業者の参入が相次ぐ中、東京電力と中部電力は共同出資で設立した火力発電事業会社の会長に外国人を起用。また、東京ガスは東北電力と提携し、関東圏で大口需要家向けに電力を供給する新会社を設立するなど、さまざまな合従連衡が進んでいる。電力自由化を巡る合従連衡の動きは自由化への勝ち残りを目指したものではあるが、連携関係はその先をも見据えている。

来年4月に迫った都市ガスの小売り自由化だ。電力自由化で厳しい競争を強いられている大手電力会社は、都市ガス自由化で都市ガス事業に攻め込むと見られ、合従連衡はその布石にもなる。今後は、都市ガス事業を巡り、LPガス会社や石油会社をはじめ、通信会社など、電力自由化で巻き起こった異業種との提携がさらに加速しそうだ。