電力会社切り替えで成果をあげる都市ガスやLPガス会社

 電力小売りの全面自由化で電力会社の切り替えが本格化する中、住居を訪問する機会が多い都市ガスやLP(液化石油)ガス事業者が成果を上げている。半面、ガソリンスタンドなど〝消費者を待つ〟営業スタイルは厳しい状況のようだ。

 電力会社の切り替えについては、小売都市ガスやLPガス事業者は、検針や請求などを通して顧客の家族構成やエネルギー使用量を日ごろから把握しており、住居を訪問して本来商品やサービスとあわせて電力を売る戦略が奏功している。携帯電話販売店やガソリンスタンドは、多様な消費者が訪れるものの限られた時間の中での商談では成果に結びつかないことも多い。例えば、携帯販売店への来客が電力に関心をもっていても、契約には検針票をもって再来店する必要があることがネックになるなど、盲点も見え始めてきた。

一方で、小売事業者の営業活動についての相談や問い合わせも増加しており、電力・ガス取引監視等委員会は事実関係の確認や指導を実施。消費者庁も注意喚起を行っている。

魅力的サービスが登場する一方、デメリット情報の少なさから様子見も多い

 電力自由化で魅力的なサービスが続々と登場している一方で、自由化に対するデメリット情報が少なく切り替えに対して消費者は様子見している人も多い。

 大手リサーチ会社の調査によると、電力会社切り替えの検討・申し込み理由では、「料金低下」と「サービス向上」が多く、他のサービスとセットで割引が受けられるガス会社や携帯電話会社のサービスが人気だ。このほかにもミサワホームが電気代に応じてポイントを付加し自宅のメンテナンスやリフォーム費用に充当できる「ミサワでんき」をはじめ、JXグループはガソリン代が安くなる「ENEOSでんき」をスタート、各社がそれぞれ特徴を活かしたサービスを展開している。

 とはいえ、実際の切り替えはあまり進んでいない。自身が利用しているサービスが突然打ち切りになる可能性や契約した事業者が倒産した場合の対応など、漠然と不安を感じる人が多く消費者が様子見しているためだ。自由化に対するデメリット情報の少なさがその背景にあるようだ。

様子見の家庭多く、電力自由化で新規への切り替えは初日で0.6%

電力小売全面自由化を受けて、大手電力や新規参入事業者が各種料金プランを策定しているが、消費者の関心はあまり高くなく新規事業者への切り替えはスタート初日が0.6%だった。ただ、自由化に伴う詐欺的な便乗商法が横行しており、消費者は注意が必要だ。

 インターネットマーケティングのフルスピードが、20-49歳の既婚女性106人を対象にした電力自由化への期待調査では、約半数が「電力自由化に興味がない」ことがわかった。乗り換える場合の時期について聞いたところ、「乗り換えようと思っていない」が約半分を占め、おおよそ4人に1人が6カ月以内と回答した。背景には新プランに切り替えなくても大手電力とのこれまでの契約が継続されるため、様子見の家庭も多いようだ。

 一方で、電力自由化を巡っては便乗商法が横行している。国民生活センターには、自由化と絡めて高額の太陽光発電機器を売りつける被害などの相談が急増しており、国は注意を呼び掛けている。