電力自由化に伴う新規参入事業者で最も多いのはガス会社

 電力自由化から2カ月が経過し、大手電力会社からの新規事業者(新電力)への切り替えが100万件を突破した。「電力広域的運営推進機関」のまとめによると、5月末時点での切り替えは103万5500件となった。ただ、全体でみると大手電力各社の利用者の1.6%に過ぎず、消費者の中にはサービス内容の精査など、今のところ様子見傾向が強くなっている。

 自由化を受けて、これまでに電力小売り事業者として登録を済ませたのは約300社。このうち、実際に電気事業を展開、また事業化を表明しているのは67社で、業種別には都市ガスやLPガスなどのガス会社が21社と最も多い。ガス会社が積極的なのは、電力とガスのセット販売による事業拡大とともに、来年に迫るガス小売り自由化に向けた顧客流出防止への布石という狙いもあるようだ。

 このほかにも、流通・サービス、通信・放送、石油などを主事業とする新規事業者も新たなプランを提供しており、顧客囲い込み競争は今後、さらに激しさを増すものとみられる。

電力自由化で、60代以上は「どれだけ安くなっても変更しない」が4分の1

 調査会社の日本リサーチセンターが実施した「電力自由化についての調査」によると、4月の自由化以降、「電力会社を変更した」は2%にとどまった。一方で、「検討するつもりはない」が46%だった。

ただ、電力会社を変更していない回答者に対して、「電気代がいくら以上安くなれば購入先を変えるか」と聞いたところ、「5000-1万円」が最も多かった。20-30代は「1万円以下の割引でも変更したい」が6割以上となったが、60代以上では「どれだけ安くなっても変更しない」が4分の1を占めるなど、世代間で大きな違いが出ている。

電力自由化に伴い悪質商法も増えており、経済産業省は家庭に電気を小売りする事業者に対し、提携する販売代理店をホームページなどで公表するよう求める。大手電力の名を語って太陽光発電パネルを売りつけるなどの便乗商法が横行しており、同省などが対策を検討していた。6月にもガイドラインを改定し、約300社の電力小売事業者に公表を求める。

これから夏本番、電力会社の切り替えは今が最適

 電力自由化がスタートして約2カ月。これから夏場を迎えるにあたり、新たな動きが出てきた。

関西電力は7月から、首都圏で家庭向け電力販売を始めることを検討していることが明らかになった。首都圏に基盤をもつ企業と販売提携して、3年間で10万件の顧客獲得を目指す。電力自由化によって、関電は新規事業者に顧客を奪われており、首都圏で低価格電力の供給で攻勢をかける。

一方、家電量販店のヤマダ電機も家庭向け電力小売サービスに参入する。6月15日から「ヤマダのでんき」として、沖縄県と離島を除く全国で提供する。一般家庭用と事業者向けの2プランを用意、毎月の電気料金の2%から6%をヤマダポイントで還元する。

電力自由化では、各社からさまざまプランが提供され選択が難しいことから、様子見傾向が強くなっている。とはいえ、これから夏本番を迎えるにあたり、申し込みから実際の切り替えまで時間がかかることを考慮すると、「切り替え時期は今が最適」と指摘する専門家もいる。